「なぜ治らないんだ?」と焦ったことのある先生へ

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田中です。
 
 
 
昔、自宅の洗濯機から女性の下着が出てきた事があるんですよ。
ヒョウ柄のスキャンティーでね。
 
 
 
誰のかは分からなかったんですけどね。
人間誰しもモテ期ってのがありまして、私にもそれが来てた時期だったんですよ。
 
 
 
通常であれば
「誰かが忘れていったんだな。俺ってモテるぜ。ふふふ」
ってなるんですけどね。
 
 
 
その時、それを見つけたのが当時本命の女性。
 
 
 
「これ、私のじゃないんだけど・・・」
って言いいながら、右手でヒョウ柄スキャンティーをブランブランさせてましてね。
 
 
 
その瞬間、
「周りの水分全部吸収できるんじゃないの?」
ってくらい全身の毛穴が開きましたよ。
 
 
 
当時の私が平常心を失っていなければ、
「今の俺に任せておけば、多い日も安心だよ。」
なんてジョークを飛ばせたんでしょうけどね。
 
 
 
そんな余裕もないくらいに頭が真っ白になりました。
 
 
 
彼女の右手でチックタックと揺れるスキャンティーを見てたら、
「お~お~きなノッポの古時計~♪おじ~さんの~・・」
って口ずさみそうになったからね。
 
 
 
脳内パニックですよ。
 
 
 
それでですね。
男性のウソなんて女性にはすぐバレるじゃないですか。
 
 
 
ましてや口が裂けても
「君以外にもガールフレンドいるんだよね」
なんて言えませんからね。
 
 
 
私は脳みそフル回転で言い訳を考えたんですよ。
将棋の竜王戦ばりに、先の先の先を読んですね。
 
 
 
その結果、何を思ったのか、
「それ、俺のじゃねえよ!!」って言いましてね。
 
 
 
その彼女、
「当たり前だろうが、アホかお前!!」
って怒りだして、私はしどろもどろになり・・・・・。
 
 
 
まあ、洗濯機、ヒョウ柄の時点で王手でしたからね。
完全に詰まれてフラれました。
 
 
 
もし、
「それ、俺のじゃねえよ!!」
じゃなくて
 
 
「それ、俺のなんだ!!」
って言えてたら、
 
 
「2次会の景品でさ~・・」とか
「女装の罰ゲームがあってさ~」
と続ける事もできたでしょう。
 
 
 
冷静さを失った時点で負け・・・・・
いや!!二股かけてた時点で負けなんですけどね!!
 
 
 
今となっては、後の祭りです。
 
 
 

“後の祭り”にならないために必要なこと

 
 
 
さて、何でそんな話をするのかというとですね。
先日、ある患者さんが来ましてね。
 
 
 
その方は、他の治療院に1ヶ月間で10回も通っていたそうです。
しかも、足の痛みだけど腰の治療をしてもらって施術後も少し良いみたいなんです。
 
 
 
だから聞きましたよ。
「治療箇所も回数も申し分無いのに、何でウチに来たんですか?」
ってね。
 
 
 
そしたら、治療院の先生が、治療しながら
「わからん、何で痛み取れないんだ?なぜだろう?」
って連発するから、通いにくくなったんですって。
 
 
 
確かに痛みが取れにくそうなタイプだけど、続けてたら効果出ただろうに・・・・。
 
 
 
でも私には、その治療院の先生が
「何でだろう?」
って焦って呟いてしまう気持ちが痛いほど分かりました。
 
 
 
だって私も以前、
3ヶ月近く治療してるのに全然変わらない患者さんが来てた時に
 
 
「あれ~?何で治らないんだろう・・・」
 
 
って連発しながら治療してた事がありましたもん。
 
 
 
その患者さんは1年くらいは治療に取り組むつもりだったんですよ。
なのに、余りに変化がないから私が先に焦り始めてしまったんですよね。
 
 
 
治療家としては、他の医療機関へ転院させる事も考慮に入れつつもですね。
 
 
 
せめて、ウチで治療をしている時間だけは
「大丈夫です。頑張りましょう」って態度で接するべきだったし、
患者さんよりも先に諦めるべきじゃなかったと思うんですよね。
 
 
 
もうその患者さん来なくなりましたから、それこそ後の祭りなんですけどね。
 
 
 
人によっては治るための反応が大きくて、
「治療を重ねるごとに痛みが強くなる」なんて時もあります。
 
 
 
中には、治療家自身が
「これ本当に治るんかな~」って思ってしまう時もあります。
 
 
 
逆に患者さんから「本当に治るのか?」
と攻め寄られる時もあります。
 
 
 
でもビビったらダメなんですよね。
そんな時ほど平然としてないとダメなんですよね。
 
 
 
特に今後、自費移行をする整骨院経営者は
自院の治療費を値上げしなければなりません。
 
 
 
少なくとも数倍に値上げをすることになります。
 
 
 
患者さんからお金をもらうという行為に慣れていないと、
自費になった途端に治療自体も及び腰になりがちです。
 
 
 
「あ・・・あ・・時間があって、気が向いたらまた来てね」
となりがちです。
 
 
 
また、患者さんの治療効果が思わしくないと、
次の予約を勧めにくいなんてことになりがちです。
 
 
 
しかし、難しい病態で、症状の進展も緩慢で、こちらもお金を貰っていて、
患者さんからのプレッシャーが強くて、という状況があったとしてもですよ。
 
 
 
その上、洗濯機から女性物の下着が出て来て、
彼女がそれを見つけてしまって、どう考えてもアウトだとしてもですね。
 
 
 
治療家たるもの、
 
 
「え?何か問題なの?」
 
 
って平然と言い放つくらいのメンタリティーは持っていたいものですね。