治療単価は診療時間の“半分”で計算する!?(その理由は…)

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田中です。

突然ですけど、
目標月商もしくは年商って、どうやって決めてます?

 

まずは100万。
次が150万、200万って感じでしょうか?

最初のハードルは月商100万円と、よく言われるのですが
一体全体誰が言い出したんでしょうかね。

まあ、それはさておき、この目標月商を決めないと
『治療単価の設定』や『治療時間の設定』ができませんからね。

まずは決めないといけません。

この『目標月商』が出たら、それを『月の診療日数』で割るわけですよ。
そうすれば、『1日あたりに必要な売り上げ』が出ます。

そしたら、その『1日あたりに必要な売り上げ』を『1日の診療時間の半分』で割ります。
半分って所がミソです。

例えば8時間診療しているのであれば、4時間で割るわけです。

具体的に数字で出すと、
月商100万円が目標で、月に25日診療しているとしましょうか。

まずは、100万円を25日で割りますと、4万円になります。
1日に必要な売り上げは4万円という事です。

そして、8時間診療をしているのであれば、
4万円 ÷ 4時間(8時間の半分) = 1万円
となりまして、『1時間で1万円』の単価設定が必要という事になります。

1回の治療は30分以内が理想ですから、1時間に2人の予約枠として
1万円 ÷ 2人 = 5000円
と出ますから、

まとめると
『1時間に2人の予約枠で、治療費は1回5000円』
に設定すると月商100万円になるという設計図ができます。

ちなみに、なんで8時間じゃなくて4時間で割ったのかというと、
予約が100パーセント埋まるなんてありえないからです。

コンスタントに埋まるのって、全予約枠の50~60パーセントといった所ですからね。
診療時間の半分で計算するくらいが、丁度いい具合になる訳です。

それで、月に患者さん1人あたり2~3回の治療頻度で来てもらえれば、
100万円 ÷ 5000円 = のべ来院数200人
          ↓
のべ来院数200人 ÷ 一人当たりの来院数2~3回 = カルテ枚数66~100枚
という計算になりますからね。

更にまとめると
『カルテ枚数が66~100枚。1回5000円の治療で時間は30分。
 1日の平均来院数は8人。1日の予約枠の半分が埋まれば月商100万円』
という訳ですから、こうやって書くと、そんなにハードル高くないように見えませんか?

もし、
目標月商を150万、200万とか、週休2日、3日とか、
もっと生活を豊かにしたいのであれば、

それに合わせて単価や時間を設定していけば良いだけの話です。

次は難易度を考えてみましょう

まず、我々の仕事にはほとんど原価がかかりません。

ご存知のように、売り上げから原価を引いたものを粗利と言いますが、
我々の仕事はこの粗利率が、ほぼ100パーセントです。

自動車業界は粗利率が15~20パーセントくらいですから、
治療院業界がいかに粗利率が高いのかという事がわかりますね。

そして、粗利を従業員数で割ると『一人当たりの粗利』というのが出ます。
ちなみに一人当たりの粗利は、その会社の『生産性』を表す数字でもあります。

つまり、一人当たりの粗利が高いという事は、
『会社として強い』もしくは『儲けるパワーが強い』と言いかえる事もできます。

ですから、
『月商300万!!スタッフ5人!!』
という所と
『月商100万!!一人先生!!自宅開業!!』
を比べたら、

前者の治療院は300万÷5人を計算すると、
一人当たりの粗利(儲けるパワー)は60万という事ですからね。

経費の面から見ても後者のほうが、強いという事になります。

つまり、

売り上げだけでは、その治療院の本当の経営状況は見えてこないという事です。

中小企業では、一人当たりの粗利の目標が『月に100万円』と言われていますから、
スタッフ5人なら月商500万円を超えないと強い経営をしているとは言えない訳です。

それで今度は、日本の会社全体に話を広げてみますと、
年間で一人当たりの粗利が1000万円を超えている所は、
おおよそ20パーセントというデータが出ています。

つまり、一人治療院で月商100万円だと、年間で1200万円という事ですからね。

統計上の割合から見た難易度としては、
『10人で競争して2位までに入るくらいの難易度』と言えるでしょう。

ただ、治療業界は粗利率が、ほぼ100パーセントですからね。
他の業種よりはハードルは低いのではないかと思います。

ちなみに、この粗利から経費だなんだと、引かれたのが自分の給料になります。
そこから、生活費や税金を払う事になりますからね。

自分の手元に残るお金の事を考えたら、
せっかくリスクを背負って開業、もしくは自費移行する訳ですからね。

目標月商100万円とは言わず、150万円くらいは目指したいところです。

それで目標設定をして、そこから
「じゃあ、どんな治療を患者さんに提供したらいいんだろう・・」
と考えていくと、経営の設計図が作りやすいのではないでしょうか。

参考にしていただければ幸いです。